通信事業向け MELOpS VoIP信号監視システム 導入事例KDDI株式会社様
24時間365日のネットワーク監視で、新世代IP電話サービスの接続品質を維持
KDDI株式会社は「Designing The Future」を企業スローガンに、ユビキタス・ネットワーク社会の到来に向けたコミュニケーション環境の整備と、通信キャリアとしてこれまでに培ったノウハウや多彩な技術を活かし、高品質で利便性に富んだソリューションを提供する「ユビキタス・ソリューション・カンパニー」です。

東京・飯田橋にある
KDDI株式会社本社
そのKDDIが2005年2月から開始した「KDDIメタルプラス」は、これまでのIP電話のイメージをくつがえす画期的なサービスです。固定電話の通信品質や「切れない」確実性と、IP電話ならではの低料金という2つのメリットをあわせ持った「KDDIメタルプラス」は、音声通話はもちろんインターネット接続までをサポート。これまでの固定電話に取って代わる新しい電話ソリューションです。
この「KDDIメタルプラス」の通信品質を支えているのが、三菱電機株式会社、三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)が、株式会社アルチザネットワークスの協力を得て開発したVoIP信号監視システム「ZEUS(ゼウス)」です。専任者が常駐するネットワーク運用監視センターでは、同システムによって24時間365日ネットワーク上のIP電話のサービス状況を監視。異常があればすぐさま原因を特定して復旧させる万全の体制を築いています。
通信品質と確実な接続性が確保されたIP電話「メタルプラス」
KDDIが2005年2月1日から開始した新しいサービス「KDDIメタルプラス」は、従来のIP電話の問題点を一挙に払拭し、なおかつ大幅な低価格化を実現して大きな注目を集めています。
これまでのいわゆる「ベストエフォート型」の"IP電話"は、通話品質や接続性が保証されていませんでした。これに対して「KDDIメタルプラス」は帯域保証IPネットワークと局内用アナログ~IP変換ゲートウェイ装置を組み合わせて、固定電話のIP化を実現。これまでの固定電話と変わらない通話品質と確実な接続性を確保しています。そのうえ、IP電話は高価な交換機器設備が不要なため、利用者は快適な通話と低料金の2つのメリットを同時に受けることができます。

ネットワーク技術本部
ノードシステム部
電話システムグループ
課長補佐 石塚秀樹氏

ネットワーク技術本部
ノードシステム部
電話システムグループ
課長補佐 曽根太郎氏

運用本部
ネットワークオペレーション
センターボイスグループ
課長補佐 岩谷朗好氏
顧客満足度の向上に貢献するVoIP信号監視システムとNOC
「KDDIメタルプラス」の運用監視とその問題解決のために今回新たに導入されたのが、VoIP信号監視システム「ZEUS(ゼウス)」です。このシステムは、KDDIネットワーク技術本部ノードシステム部電話システムグループ、組み込み製品を提供したアルチザネットワークス、そして三菱電機、MDISによって構築されました。
このシステムでは、KDDIが長年培ってきた電話ネットワークの運用ノウハウを継承しながら、アルチザネットワークスのプロトコルモニタ製品である「VoIP QoS Probe」と「VoIP Call Tracer」をコアテクノロジーとして、三菱電機、MDISが通信キャリア級の大規模運用監視業務に適応したシステムを構築しました。精密な通信プロトコル解析技術によって、全国レベルでのエンドツーエンドのサービス運用監視を可能とする高性能と高信頼性を実現しています。
実際の運用監視業務の中で、この信号監視システムは、VoIPの接続制御を行うSIPのメッセージシーケンスを解析し、ネットワークの通信状態を見守っています。そして問題が発生した場合にはそれを発見するだけでなく、通信状況を過去にさかのぼって解析し、スピーディに原因の特定をすることも可能です。
この「KDDIメタルプラス」のサービス運営を支えているのがネットワーク運用監視センター(NOC)です。NOCでは「KDDIメタルプラス」の社会的インフラとしての安定性を確保するために、24時間365日体制でサービス網の有人監視を行っています。
またIP電話が社会的な通信インフラの地位を獲得するには、大地震などの災害時にもサービスの維持や速やかな復旧態勢が必須です。このためにはいかなる事態にも的確に対応できる、日頃から訓練されたネットワークオペレータによる判断と対処のための組織作りが欠かせません。その点でも専任のプロフェッショナル集団であるNOCの果たす役割は大きなものがあります。

システム構成図
監視マネージャ
- 各SPマネージャの集計結果を蓄積します。
- 各SPマネージャの集計結果より、網全体の集計、ならびに集計結果より網全体のトラフィック状態の監視を行ない、必要に応じてアラームをだします。
SPマネージャ
- 配下のSPで収集した通話履歴からデータ集計、ならびに、集計結果よりトラフィック状態の監視を行ない、必要に応じてアラームを出します。
- 配下のSPで収集したトレース情報を蓄積します。また、ユーザからの要求により、該当トレースの検索を行ないます。
SP(SoftwareProbe)
- SIP信号のモニタリングを行ないます。
- モニタしたSIPパケットから呼毎の通話履歴を作成します。
- モニタしたSIPパケットをトレース用に収集します。
わずか4ヵ月で監視システムを構築・配備
今回の「ZEUS」の構築には、高いハードルがありました。「KDDIメタルプラス」のサービス開始に導入を合わせるため、導入決定からわずか4ヵ月という期間ですべてのシステムを完成させなくてはならなかったのです。
「具体的なプランが決まって、大急ぎでベンダーの選定に入ったのが2004年の夏頃でした。この時点では数社の候補を比較検討していました。その中で、システムの柔軟性、構築のスピード、これまでのノウハウがそのまま活かせるという点など総合的に判断して三菱電機のVoIP信号監視システムを選択しました」と、KDDI側の構築担当であるネットワーク技術本部ノードシステム部電話システムグループ課長補佐 石塚秀樹氏は語ります。
同社には固定電話ネットワーク用の監視システムがすでに導入されており、この構築を手がけたのが三菱電機、MDISだったのです。そうした以前からの長い蓄積や信頼関係が、限られた時間内での構築にプラスになるという判断もありました。
「開発担当者として来た三菱電機側の方が、以前のシステム開発にも携わった方だったので、通信キャリアの求める電話ネットワークの運用ノウハウの蓄積があり、すみやかに仕様が決まっていきました。また画面や操作性などのインターフェイスがほぼ同じなので違和感がなく、試験がはかどったという利点もありました」と語るのは、システムの運用にあたる運用本部ネットワークオペレーションセンターボイスグループ 課長補佐の岩谷朗好氏です。
「サービス利用者の声を反映した」機能をめざして
構築は各社スタッフの連携のもと急ピッチで行われましたが、それでも最後の1ヵ月間は三菱電機側のシステム試験と、KDDI新宿ビルでの検収試験が並行して進められ、「KDDIメタルプラス」のサービス開始に間に合わせました。検収試験を手がけたネットワーク技術本部ノードシステム部電話システムグループ課長補佐の曽根太郎氏は、「時間がないのを見越して、仕様策定の段階からベースとなる提案を三菱電機から頂くなど下準備を行い、検収試験に向けても入念に事前打合せを繰り返しました。おかげで大きな不具合もなく、サービス開始に間に合わせることができました」と振り返ります。
無事2005年2月のカットオーバーを迎えて4ヵ月、システムは順調に運用されています。しかし、KDDIのスタッフは早くも次の目標を見据えています。
「これからはカスタマー部門を通じて寄せられるお客様の声に耳をかたむけて、よりお客様寄りにカスタマイズした機能を充実させていきたいと考えています」と語る石塚氏。岩谷氏と曽根氏も、サービス利用者の満足度をさらに高めるために、トラブルに対するレスポンスの速さの追求や安定したシステム維持のための積極的な試みを追求したいと声をそろえます。
固定電話サービスに革命を起こした「KDDIメタルプラス」を支える眼として、「ZEUS」は早くも次のステージに向かって進化のステップを踏み出しています。
KDDI株式会社ホームページについて:
http://www.kddi.com/
この記事について:
この記事は、情報誌「MELTOPIA」2005年6月号(No.107)に掲載されたものを転載しました。















