ここから本文

ホーム > 事例 > 西部ガス情報システム株式会社様

事例

車両位置管理システム 導入事例西部ガス情報システム株式会社様

保安車両をリアルタイムに把握することで迅速な出動指令と現場急行を実現しガス漏れ等による二次災害を防止

西部ガスグループのシステム開発、運用を担い、自社ソリューションも展開する西部ガス情報システム株式会社

西部ガスグループのIT関連会社としてグループ会社のシステム開発、運用を手がける西部ガス情報システム株式会社。同社は西部ガスから受託した保安指令システムのリプレースに伴い、三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)をパートナーとして、保安車両の位置と作業状況をリアルタイム表示する「車両位置管理システム」を導入しました。これにより供給エリアを移動している保安車両の把握から、迅速な出動指令、保安現場への急行、対応作業までの時間が短縮され、ガス漏れやガスの供給支障など都市ガスに関する様々なトラブルの早期解決や二次災害防止に貢献しています。

リアルタイムの保安車両位置把握と保安員の負荷削減が課題に

九州地区最大の都市ガス事業者である西部ガスから情報システム部門が独立し、1986年9月に設立された西部ガス情報システムは、西部ガスグループ会社のシステム開発、運用を主力事業としています。現在は、その中で培った技術とノウハウをもとに、中規模ガス会社向けの顧客情報管理システムや一般企業向け情報活用システムなどのソリューションを提供しています。

同社は、2003年に西部ガスの「保安指令システム」を開発し、ガスの保安指令業務を支援してきました。保安指令業務とは、ガス漏れ、ガスの供給支障、警報器鳴動などの通報を24時間体制で受け付け、速やかに調査や修理を実施してガスによる事故を防止することです。事業統轄本部 サービス本部 システム部 総括グループマネージャーの白石まゆみ氏は、この業務の課題を次のように語ります。

「従来は、電話で寄せられた通報内容を受付で確認し、指令センターが保安車両に電話や無線などを使って連絡を取り、現在地や作業状況を確認していました。そこから保安場所に最も近い対象車両を確認して出動指令を出していました。保安員は紙の住宅地図やガス管地図を持ち歩き、地図を見ながら現場に向かっていたため、状況によって保安現場到着までに時間を要することがありました。また、現場での業務を終えると保安員は作業内容を紙に記録し、事業所に戻ってからあらためてシステムに入力しなければならず、これが保安員の負荷につながっていました」

これらの課題を解決するため西部ガスは、保安指令システムのリプレースに合わせて、保安車両の位置情報と作業状況をリアルタイムに把握する「車両位置管理システム」の導入を決定しました。


事業統轄本部 サービス本部
システム部
総括グループ
マネージャー
白石 まゆみ 氏


事業統轄本部 サービス本部
システム部
供給・保安システムグループ
リーダー
中川 健一 氏


事業統轄本部 サービス本部
システム部
供給・保安システムグループ
荒尾 晃至 氏

適切な提案と迅速なデモの提供、既存システムとのシームレスな連携を評価

車両位置管理システムの導入については、複数のベンダーからの提案を検討し、スクラッチ開発を提案したMDISを採用しました。

「MDISの提案は必要な機能を備えつつもシンプルで分かりやすいものであったことと、リプレースする保安指令システムとシームレスに連携できることが魅力でした。不要な機能が多数付加されているパッケージ製品と比べて、スクラッチで開発するほうが要件に見合ったシステムがシンプルに構築できると判断しました」(白石氏)

検討段階で実際のデモンストレーションを確認でき、求めている機能を実現していたことと導入実績による信頼性がMDISを採用した主な理由です。

事業統轄本部 サービス本部 システム部 供給・保安システムグループの荒尾晃至氏は、「西部ガスの保安指令業務担当者も業務イメージに近く、とても分かりやすいとの評価でした」と振り返ります。

車両位置管理システムの導入作業は、2015年4月にスタートし、7ヵ月後の11月には本稼働を迎えました。当初、本プロジェクトは約1年をかけて実施する計画でしたが、繁忙期を避けるために半年ほど前倒しで進められました。

事業統轄本部 サービス本部 システム部 供給・保安システムグループ リーダーの中川健一氏は「検証環境の構築など、MDISから全面的なサポートを得られたことで短期開発にも対応ができました」と語ります。

また、「開発時にテキストベースのデータフォーマット(JSON)やiOSのプッシュ通知機能(APNS)を使うなど、当社では初めて扱うことが数多くありましたが、MDISのSEと緊密なコミュニケーションを図ることで、スムーズに進められました」と中川氏は語ります。

荒尾氏は、プロジェクトについて「システム選定や基本設計など初期の段階から当社の希望をしっかり理解し対応してくれたMDISを頼もしく感じました。イメージ通りにシステムが完成し、導入後の運用もスムーズに進んだことからも今回の選択は間違いなかったと確信しています」と話します。

現場到着時間の短縮により安定供給と保安の確保に貢献

車両位置管理システムを導入した現在の業務フローでは、電話で通報を受け付けた後、指令センターでは西部ガスの供給エリア全体の地図を表示する大画面モニターを見て、保安車両の位置情報や作業状況をリアルタイムに把握し、最適な保安車両に対して瞬時に指令を発しています。保安員はセンターからの指令を保安車両に装備したiPad上でプッシュ通知によって受信し、そのままカーナビアプリを起動させてiPad上に地図を表示させて目的地に向かいます。作業が終わるとiPadからシステムにアクセスして直接作業内容を記録するため、保安員は今までのように紙に記録して帰社してから端末に入力する作業がなくなりました。

「保安員は紙の住宅地図やガス管地図を持ち歩く必要がなくなり、保安箇所を探す手間もなくなりました。また、iPad上にカーナビアプリを追加したことで、それまで保安車両に装備していたカーナビ機器も不要になり、iPadによる情報の一元化を実現しています」(中川氏)

車両位置管理システムの導入は、保安車両への指令にかかる時間の短縮や、保安現場への到着時間の短縮につながり、都市ガス事業者の責務である「安定供給と保安の確保」においても大きな効果をもたらしています。

作業現場からは、「カーナビアプリと連動して目的地まで誘導してくれるため、土地勘のない場所でも行きやすい」という声が届いています。

「西部ガスでは定期的に人事異動があるため、すべての保安員が担当する地域の道路を熟知しているわけではありません。特に異動してきたばかりの保安員に好評のようです。それを実感したのは2016年4月に起きた熊本地震でした。当時は福岡や長崎からも保安部隊が熊本までガス管の調査・修理に駆けつけましたが、その中で全体を把握して最適なルートで行くための指令を出したり、土地勘のない保安員が現場に出動するのに車両位置管理システムが貢献しました」(白石氏)


システム構成イメージ

さらなる充実を図り他の業務や企業にも展開へ

今後は車両位置管理システムの機能強化を検討しています。具体的には、災害時に優先すべき復旧エリアを表示する復旧ブロックの表示機能です。

さらに、今回の車両位置管理システムのノウハウを活かして、西部ガス情報システムの自社商品としてソリューション化し、他社に提供していくことも検討しています。

中川氏は「今回のシステムの稼働後、他のガス会社や消防署などから見学依頼もあり、注目度の高さを実感しています。車両を使った業務は多岐にわたりますので、多くの企業や団体に利用していただければと思います」と話します。

西部ガス情報システムは、高度な情報技術の提供を通じて、豊かな情報社会の実現に貢献していきます。

お問い合わせ

西部ガス情報システム株式会社:
http://www.sgis.co.jp/

この記事について:
この記事は、情報誌「MELTOPIA」2017年10月号(No.230)に掲載されたものを転載しました。

↑ページの先頭へ戻る