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SAP R/3システムおよびSCMシステムのユニコード化&アップグレード 導入事例ブラザー工業株式会社様

大規模ERPシステム/SCMシステムのユニコード化とアップグレードを短期間に実現し、グローバルビジネスを支える先進のIT基盤を構築

プリンターや複合機を中心に、ミシン、産業機器などの開発・製造を手がけるブラザー工業株式会社。グローバルに事業を展開する同社は、モノ創りを通じて優れた価値を創造し、迅速に提供するためにERPパッケージ「SAP R/3」を中核としたIT基盤を構築しています。

先駆的な情報活用を推進するなか、同社は三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)の支援を受け、ERPシステムのユニコード化を実施しました。前例がほとんどない大規模システムのユニコード化をわずか3日間で実現。その後にSAP ERP6.0にアップグレードを図りました。さらにSCMシステムのユニコード化とアップグレードを同時に実現し、グローバルビジネスを支える基盤をより強固なものにしています。

IT基盤のさらなる進化に向け、先駆的なユニコード化&アップグレードに着手

海外の売上が高いウェイトを占めるグローバル企業として、幅広い事業を展開するブラザー工業株式会社。2002年には中長期ビジョン「グローバルビジョン21」を策定し、「グローバルマインドで優れた価値を提供する高収益体質の企業」になるための様々な施策に取り組んでいます。また、「お客様の声」をすべての事業活動の原点とするブラザーグループでは、独自のマネジメントシステム「ブラザー・バリュー・チェーン・マネジメント(BVCM)」を構築。「デマンド」(企画・研究)、「コンカレント」(設計・生産技術)、「サプライ」(製造・販売)の連携により、すべての工程でお客様の声に反映するモノ創りを推進しています。

ITによる情報活用を重要視する同社は1998年、業務の中核となる基幹システムとしてSAP R/3を導入。その後、2度のアップグレードを行い、IT基盤の強化を推進。アジア生産拠点に向けた業務の拡充において、SAP R/3の日本語に加え中国語への対応が必要となり、マルチ言語環境「MDMP」を実装しました。ところがその後、最新バージョンのSAP ERP 6.0以降、MDMPのサポートは終了し、多言語環境はユニコード環境に一本化されることになりました。

IT戦略推進部 プリンシパルの吉田鋭一氏は、当時を次のように振り返ります。

「当社はSAP R/3の導入以来、機能強化を重ねながら、ビジネスノウハウを着実に蓄積してきました。ERPシステムはIT基盤として完全に定着しているだけに、MDMPのサポート終了に際しては、ユニコード化とSAP ERP 6.0へのアップグレードが避けて通れない選択肢でした」


IT戦略推進部 プリンシパル
吉田 鋭一 氏


IT戦略推進部 情報企画3G
グループ・マネジャー
鬼頭 伸通 氏

経験、実績に基づく提案とERPに精通したエンジニアの“顔が見える”安心感を重視

ユニコード化を図るうえで課題が2つありました。1つはシステムを一斉に止めるダウンタイムの長さです。文字コード変換は既存データのコード形式を変更するため、データベース内の全データを一旦エクスポートし、文字コードを変換したうえでユニコード環境のデータベースにインポートする必要があります。そのため、一定のダウンタイムが避けられません。同社の場合、特にシステム規模が大きくデータ容量も膨大であることから、ダウンタイムの長さが懸念されました。

2つめの課題は、2008年当時、MDMPからのユニコード化に関して、日本国内に事例がほとんどなかったことです。こうした経緯を踏まえて行われたパートナー選定において、最終的に選ばれたのがMDISでした。

その理由について吉田氏は「MDISは経験、実績に裏づけられた確実性の高さと、システムインフラに精通した提案内容に信頼感がありました」と語ります。

IT戦略推進部 情報企画3Gグループ・マネジャーの鬼頭伸通氏は次のように語ります。

「プロジェクトを成功に導くためには、インフラとアプリケーションの両面での展開が重要ですが、これには技術支援を担当するMDISや当社アウトソーサーであるアビームシステムズとの連携が不可欠です。その点においてMDISは当社のSAP R/3導入やその後のサポートで実績があり、ERPに精通したエンジニアの“顔が見える”安心感がありました。サーバ保守についても三菱電機インフォメーションテクノロジー株式会社(MDIT)の信頼性の高いサポート実績があり、構築から保守までワンストップで任せられることが決め手となりました」

事前検証と着実なプロジェクト推進により、3日間でユニコード化と安定稼働を実現

ユニコード化においては、実環境に近い検証環境を早期の段階で確保し、本番データを用いた事前検証を実施してダウンタイムを予測する作業から開始。その結果、ダウンタイムは83時間程度を要することが判明しました。そこで、要件の3日間(72時間)以内とするために、さらなる時間短縮に向けて取り組みました。

改善策として、サイズの大きいテーブルに対してテーブル分割による処理並列化、不要データの削除、複数サーバの負荷バランスを考慮した並列処理などを推進。さらに、ボキャブラリー調整(自動的に文字コード変換できない単語に対する、手動による言語割り当て)によって言語変換の精度を高めました。こうした工夫を重ねた結果、目標時間内での移行の見通しを達成しました。本番前には周到な移行リハーサルを行い、本番移行作業は年始の3日間で完了しました。

「データのエクスポート/インポート、インポート後の言語調整など、時間を要するタスクなども、細部にわたる事前検証と綿密な計画、複数回に及ぶリハーサルにより、前例がほとんどないユニコード化を予定通りに完了することができました」(吉田氏)

その半年後、同社はSAP R/3を、最新バージョンのSAP ERP 6.0にアップグレード。この作業も8月中旬の2日間で終えています。

鬼頭氏は「インフラ担当を支援するMDISとアプリケーション担当の連携によるプロジェクトの推進など、ユニコード化のプロジェクトで蓄積したノウハウが最大限に発揮されました」と話します。


SAP ERPのユニコード化プロジェクトスケジュール概略

迅速・柔軟なシステム連携により、グローバルビジネスを支える基盤を強化

ブラザー工業は、2010年8月にSCMシステム「SAP APO」のユニコード化とアップグレードを実施。パートナーにMDISを選定し、計画通りに作業を完了しました。

「先駆的に取り組んだ2つのプロジェクトは、IT戦略推進部とユーザ部門、アプリケーション担当、インフラ担当を支援したMDISが緊密な連携を取りながら進めることで、予定通りに進めることができました。プロジェクトを成功に導くカギは、お互いの理解と協力のもとに一体となって、素早く、柔軟、確実に対応できる“人”にあるということを再認識しました」(吉田氏)

ブラザー工業は今後、SAP ERPを中核に周辺システムとの連携を高めていく計画です。吉田氏は「SAP ERP 6.0から提供されるSOAの仕組みを活用することで、ビジネス環境の変化に合わせ、すばやく柔軟にシステム連携できます。私どもはすでに国内のサーバから海外の主要拠点にSAP利用をサービスしておりますが、これからも先駆的に最適な技術を活用して、グローバルビジネスを支えるIT基盤の強化を推進していきます」と語ります。

ブラザー工業は、これからもあらゆる場面でお客様第一を優先する“At your side.”の考え方に基づき、優れた価値を創造し、お客様に対して迅速に提供していきます。

お問い合わせ

ブラザー工業株式会社:
http://www.brother.co.jp/

この記事について:
この記事は、情報誌「MELTOPIA」2011年1・2月合併号(No.163)に掲載されたものを転載しました。

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