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朝日電器株式会社様 導入事例

電気機械器具卸売業

  • [MELFOS]

東西2拠点の受注マスタを統合するシンプルで効果の高い仕組みにより
FAX受注の BCP(Business Continuity Plan)対策を短期間で実現

朝日電器株式会社様 会社概要

配線器具、AVアクセサリー、照明器具、防犯用品など約1万種類のアイテムを扱う朝日電器株式会社。オリジナルブランドの「ELPA(エルパ)」をはじめ、時代のニーズに応える様々な製品を提供しています。東西2ヵ所の受注センターに受注窓口を集約している同社は、2001年に三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)の「FAX受注システム」を導入し、受注業務を効率化しました。

2011年には、事業継続の観点を踏まえ、2拠点で管理していた顧客マスタを統合する仕組みを短期構築し、全国からのFAX受注にどちらの受注センターでも対応。FAX受注におけるBCP対策を実現しています。

FAX受注のBCP対策に有効な東西2拠点の受注マスタ統合

生活に役立つ様々な製品を開発・販売する朝日電器株式会社。近年は、CO2削減や節電といった社会的な要請もあり、消費電力の少ないLED電球や、電源のオンオフが容易なスイッチ付テーブルタップなどの販売を伸ばしています。

全国に営業拠点を持つ朝日電器は、栃木県鹿沼市の東日本受注センターと大阪府大東市の西日本受注センターに受注窓口を集約し、東日本エリアからの発注は東日本受注センターで、西日本エリアからの発注は西日本受注センターで対応しています。同社では、取引先に合わせ、EOS(オンライン受発注システム)など様々な発注形態に対応しています。そのなかで、今もなおFAXによる受注処理を重要視しています。それは普段EOSを利用するお客様でも、欠品時など緊急の発注をする場合、EOSでは対応できずFAXで注文することが多くあるからです。

同社は、2001年にMDISの「FAX受注システム」を導入。東日本受注センターと西日本受注センターが個別に作成している、取引先マスタとFAX番号との紐付け関係を定義した「発信者IDマスタ」をもとに受注処理を行うことで、業務の効率化を推進してきました。

また同社では、サプライヤーとしての供給責任を果たすために、様々な施策に取り組んできました。執行役員商流部部長の髙倉強治氏は次のように語ります。

「2008年の新型インフルエンザの流行を機に、事業継続計画(BCP)を段階的に整備してきました。ところが、2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響による長時間の計画停電は想定外でした。東日本受注センターが計画停電のエリアに該当したことから3月中旬の計画停電時には、東日本エリアの受注・発注業務がストップし、その対策が急務になりました」

そこで朝日電器は、どちらか一方の受注センターが被災した場合でもFAX受注処理を継続できる仕組みを検討。マスタ統合管理機能を追加するシンプルで効果の高いMDISの提案を採用しました。

執行役員
商流部
部長
髙倉 強治 氏
商流部
東日本受注センター
副センター長
山嵜 孝之 氏
商流部
西日本受注センター
係長
有馬 直純 氏
商流部
東日本受注センター
主任
鈴木 泰栄 氏

スピーディで的確な対応によりFAX受注システムを短期間に強化

2011年3月末から検討を開始した朝日電器は、同年6月初旬からマスタ統合に着手。6月中旬には統合マスタを活用した運用をスタートしました。

マスタ統合処理の流れは次のようになります。まず、夜間のバッチ処理で東日本受注センターと西日本受注センターで個別に作成・更新している「発信者IDマスタ」を「統合マスタ」にマージします。次に、翌日の始業前に統合マスタを東日本受注センターと西日本受注センターの発信者IDマスタに反映させる、極めてシンプルな仕組みです。これにより、受注処理時に最新かつ共通のマスタで管理でき、東西どちらかの受注センターで障害が発生した場合でも、稼働サーバに切り替えることで、業務を継続することが可能になりました。

導入のポイントは、東西の受注センターがこれまで使用していた取引先マスタの整備でした。同社の取引先数は、東西それぞれで約150社、取引店舗数は約4000店に達し、東西共通の取引先も多数あります。商流部東日本受注センター主任の鈴木泰栄氏は「同一のFAX番号に異なる取引先コードが紐付いていると、取引先の特定ができません。そこで重複したコードを確認し、頻度が高い取引先を優先してFAX番号や取引先コードの修正を進めました。こうしたことは、古い取引先マスタの訂正や不要な取引先マスタの削除にもつながり、業務品質を高めることができました」と語ります。

商流部東日本受注センター副センター長の山嵜孝之氏は「MDISの迅速な対応ときめ細かなサポートがあり、電力使用制限令が施行される7月までに対策を講じることができました」と評価します。

システム構成イメージ

FAX受注業務の標準化によりBCP対策と生産性向上を実現

マスタ統合とともにローカルルールを廃し、FAX受注業務を標準化した朝日電器は、繁忙に応じて東西のオペレータを融通する環境も整いました。

「特に休日明けとなる月曜日はFAX受注量が多いため、今後は状況に応じて忙しい受注センターを支援するスキームを構築する考えです。また、業務が標準化されたことで、生産性の向上にもつながっています」(山嵜氏)

マスタ統合直後の2011年7月に電話回線トラブルによる受信障害で、西日本受注センターのFAX受注システムが一時停止する不測の事態が発生しました。商流部西日本受注センター係長の有馬直純氏は「速やかにFAX受信先を東日本受注センターのサーバに切り替え、業務を移すことで、お客様への影響を最小限に留めることができました。今後は、FAX転送後の詳細な処理プロセスをマニュアル化することで、より効率的に対応していきます」と語ります。

SaaS型FAXOCRの導入を視野に顧客サービスの向上を推進

マスタ統合でFAX受注処理の二重化を実現した朝日電器では、今後もFAX受注処理のさらなる効率化を進めていく考えです。FAX受注システムについても、SaaS型のFAXOCRサービス「MELFOS on Demand」を導入することも視野に入れています。

「読み取り精度が高いFAXOCRの活用は、さらなる業務効率化と同時に、顧客サービスの向上にもつながります。また、SaaS型サービスを利用することで、初期費用を抑えることも可能です。自社で設備を保有することやメンテナンスの手間から解放されることもメリットだと認識しています」(山嵜氏)

さらに、在庫や納期、出荷の確認、FAX受信の可否などの電話による問い合わせが1日に400件ほどあり、担当者が対応に追われていることから、今後はCTI(Computer Telephony Integration)により、効率的で的確、スピーディな顧客サポートを提供することも検討しています。

BCPのさらなる整備について髙倉氏は、「FAX受注業務以外にも、受注センターが被災した場合などに備え、オペレーション全般の対応を強化していきます。全社的な研修体制を整備し、誰でも一定レベルの対応ができるようにします。例えば、何らかの事態で受注センターの従業員が出社できなくなった場合、近隣の営業所のスタッフで業務をカバーできれば、お客様に迷惑をかけることはなくなります」と語ります。

朝日電器は、これからもサプライヤーとして生活に役立つ製品を提供することで、お客様の暮らしをサポートしていきます。

記事について

この記事は、情報誌「MELTOPIA」2011年12月号(No.172)に掲載されたものを転載しました。
この本記事で紹介しているMDISの流通業向けパッケージソリューション事業は、2020年4月1日付けで三菱電機ITソリューションズ株式会社(MDSOL)に移管・統合されました。

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