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省エネ対策コンサルティング事例KDDI株式会社様

高信頼性が求められる通信機械室の省エネ対策を可視化と検証を通じて最適化を図り電力消費量、CO2排出量、コスト削減を着実に推進

KDDI株式会社は、CSRをTCS(Total Customer Satisfaction:お客さまのご満足を追求する活動)として位置づけ、2008年度に選定した「地球環境保全」などの4つのCSR重要課題に取り組んでいます。 その一環として、運用統括本部運用管理部では、三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)の省エネ対策に関するコンサルティングをもとに、通信機器の高信頼性を維持しながら電力消費量の削減を着実に推進しています。

通信機械室の電力消費量・コスト削減に着手

KDDI株式会社は、環境に関する1つひとつの課題にしっかり向き合い、様々な取り組みを推進しています。その一環として通信機械室の電力消費量の削減にも取り組んでいます。

運用統括本部 運用管理部 技術第3グループリーダーの佐藤毅彦氏は、次のように説明します。

「通信機器とインフラの保守を担当する運用統括本部では、電力消費量の削減を2010年度の重大テーマの1つに掲げ、取り組んでいます。 全国の拠点にある通信機械室は、通信機器やその冷却用の空調機から構成されています。 通信機械室の空調機用の電力消費量は、当社の電力消費量の約30~40%を占めており、これを削減することがCO2排出量とコスト削減のポイントになりました」

ここで課題となったことが、通信機器が安定稼働するように定められた室内温度を維持しながら電力消費量を削減することでした。

「当社では、『KDDIグリーン調達ガイドライン』を策定し、環境配慮製品の導入を推進しています。 それと併せて、すでに導入している機器については、さらなる効率的な運用を図ることで電力消費量の削減を図っています。 今回は、既存の空調機の温度設定を最適化することで、電力消費量を削減する方法を採用しました。 こうした取り組みを進めるうえで、通信機械室における機器の高信頼性を維持するためのリスク対策が不可欠となります。 そこで、安定的な連続稼働を図りながら電力消費量を削減できる最適な方法について、検討を開始しました」(佐藤氏)


運用統括本部 運用管理部
技術3 グループリーダー
佐藤 毅彦 氏


運用統括本部 運用管理部
技術3 グループ
課長補佐
吉橋 豊 氏


ネットワーク技術本部 技術戦略部
企画グループ
課長補佐
後藤 弘 氏

通信機械室の可視化により省エネ対策を推進

KDDIでは、課題解決の企画検討段階において、MDISの省エネ対策コンサルティングによる提案を採用しました。

「提案内容は、通信機械室の熱分布などを、実測値と整合性をとりながら、シミュレーション解析して可視化し、リスク対策を図りながら省エネ効果の精度を向上するものでした。 MDISには当社のシステム運用監視、サーバ統合などの実績と豊富な運用ノウハウがあり、信頼感もありました」(佐藤氏)

KDDIでは、全国の通信機械室への今後の展開を視野に、標準的な設備である約1,000m2規模のスペースに約300基のラックと10数台の空調機を設置した通信機械室をシミュレーション・検証対象に選定しました。

現状を可視化するにあたり、平面図、空調機スペック、運用状況、現場計測に基づき、通信機械室を約300万のメッシュに区切り、モデル化しました。 運用統括本部 運用管理部 技術3グループ 課長補佐の吉橋豊氏は、次のように振り返ります。

「より正確かつ効率的に最適化が図れるように部品化の方針を定めました。 例えば、通信機器が設置されているラックについては、発熱量、外形寸法、吹き出し/吸い込み口の位置、風向、風量などの特性を踏まえて約200種類に分類・整理しました」

シミュレーション解析ツールとしては、三菱電機情報ネットワーク株式会社(MIND)の熱流体解析の豊富な納入実績・ノウハウと簡単な操作性、ビジュアルな表示で評価の高い「Flow Designer」を活用。 ラックなど評価対象の細部に至る部品化を図り、これにKDDIがMDIS支援のもと、吸い込み口の温度や空調機ごとの運転/停止などの各パラメータを変え、様々なパターンで解析を行い、複数の具体的な改善策を深堀りしていきました。

こうした解析を行うことで、空調機の吹き出し口温度を1℃高めても所定の室内温度(吸い込み口の温度)が維持できることが確認され、約1~2%の電力消費量削減が見込まれることがわかりました。


KDDIの通信機械室とMDISによる解析結果報告書
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空調設定の最適化により約2%の電力消費量削減を実現

KDDIでは、今回の成果をもとに通信機械室の空調機の温度設定を変更し、実測値を測定しました。その結果を佐藤氏は次のように語ります。

「実測値において約2%の電力消費量を削減できることが確認できました。機械室のモデル化に伴うデータ入力には改善の余地はあるが、リスク対策を図りながら最適化を図ることができ、機械室モデル化後は様々なアイディアを簡単に試行できるシミュレーションの効果を実感しました」

また、ネットワーク技術本部 技術戦略部企画グループ 課長補佐の後藤弘氏は、次のように語ります。

「通信機械室の安定的な連続運転を図るための対策に加え、例えば空調機が停止した場合に影響の範囲がどこまで及ぶかなどについても解析できます。この結果を分析することによって、効率的かつ的確に万一の時に備えることが可能です」

データセンターの省エネ対策にも適用へ

今回の取り組みによって、KDDIは高信頼性が求められる通信機器の安定稼働を維持しながら、電力消費量の削減を実現しました。

「通信機械室の機器配置、空調機設定などの多角的な解析や、一部もしくはすべての空調機が停止した場合の解析など、コンサルに基づき省エネ対策とリスク対策を図ったことで、電力消費量を削減するスキームが構築できました」(佐藤氏)

さらにKDDIでは、蓄積したノウハウを様々な形で活用していくことを検討しています。

「当社の通信機械室は、全国に様々な規模のものが多数存在し、すべてを1つの型に当てはめることはできません。 そこで、専門知識がなくても複雑な気流解析ができる『Flow Designer』による解析シミュレーションが有効になります。 施設の新設時に活用すれば、あらかじめ省エネとリスク対策を考慮した設計が実現できますし、通信機械室以外の解析にも応用が可能です。 特に、データセンターは高信頼性とともに省エネ性能の高さが選定のポイントになってきました。運用管理部門と連携して、より広い範囲で活用することを考えていきます」(後藤氏)

KDDIは、環境に優しく、付加価値の高い商品・サービスを通じて、安全・安心な情報通信社会を実現していきます。

お問い合わせ

KDDI 株式会社:
http://www.kddi.com/

この記事について:
この記事は、情報誌「MELTOPIA」2011年3月号(No.164)に掲載されたものを転載しました。

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