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ヤヨイ食品株式会社様 導入事例

冷凍調理食品製造業

  • [MELFOS]

FAX受注業務の標準化により受注エントリー作業の効率化とともに
お客様対応のスピードと質を向上

ヤヨイ食品株式会社様 会社概要

1947年の創業以来、業務用冷凍食品のパイオニアとして事業を展開するヤヨイ食品株式会社。同社は、受注全体の67%を占めるFAX受注業務の効率化を図るために、三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)の「FAX受注システム」を導入しました。これまで培ってきた独自の業務スタイルを継承しつつ、業務の標準化を図ることで、スムーズな移行および運用を実現。受注業務の効率化、精度向上とともに、新人オペレーター研修期間の短縮、お客様対応のスピードと質を向上しています。

67%を占めるFAX受注のエントリー業務の効率化が課題に

中食市場や給食市場、外食市場を対象に業務用冷凍食品の製造・販売を行うヤヨイ食品株式会社。コロッケ、ハンバーグ、グラタン、魚加工食品、デザートなどの商品と、多品種少量生産を特徴とする高度な生産技術は業界でも高い評価を得ています。近年はお客様のニーズに合わせたカスタマイズ商品や、介護用食品のインターネット販売なども手掛けています。

ヤヨイ食品で製造される商品アイテムは約1,300種類。静岡県静岡市の清水工場、福岡県大牟田市の九州工場、宮城県気仙沼市の気仙沼松川工場から卸業者を中心とする全国の取引先約5,000ヵ所に出荷しています。一方、全受注量の67%(2012年9月実績)を占めるFAXの受注エントリー業務は、清水受注センターに集約して行われています。

従来の受注処理では、受注センターに設置された10数台のFAXで注文を受信。それを手作業で全国6つの配送エリア別に仕分けてから受注エントリーを行っていましたが、この注文書のエリア別仕分け作業に約2時間を要していました。また、FAXの注文書に記載された顧客名称から顧客コードを紐付ける作業や正しい商品コードを入力する際には、オペレーターのスキルや経験に依存する傾向が高い状況にありました。

そこでヤヨイ食品は、受注エントリー作業の標準化に向けた施策について検討を開始しました。物流部長の西本幸彦氏は「これまでは、やがてEDI(電子データ交換)の比率が高まることを想定していました。ところが、EDIを利用している取引先でも追加注文などはFAXで行われることが多く、取引先からの変更要求に対応するためにも今後もFAXでのニーズが高いと見込まれることからシステム化を決断しました」と振り返ります。

物流部長
西本 幸彦 氏
物流部
営業受渡課長
笹野 隆一郎 氏
情報企画統括室
情報企画統轄チーム
梁瀨 慎司 氏

食品業界における豊富な導入実績と業務に最適化できる柔軟性を評価

ヤヨイ食品はFAX受注システムの導入にあたり、複数のベンダー製品を比較したなかで、MDISのFAX受注システムを採用しました。その理由について、情報企画統括室 情報企画統轄チームの梁瀨慎司氏は次のように語ります。

「食品業界における豊富な導入実績が決め手となりました。MDIS製のFAX受注システムを導入している食品メーカーを見学させていただき、実際に使いやすさと高い信頼性を確認できたことも選定の大きな理由になっています。さらに、当社がこれまで培ってきた業務ノウハウを継承しながらシステム化するMDISの提案もポイントになりました」

FAX受注システムは、2009年11月にカットオーバー。その後、顧客マスターや商品マスターの整備を経て、2010年1月から本格的な活用を開始しました。物流部 営業受渡課長の笹野隆一郎氏は、システム導入のポイントを次のように説明します

「従来の業務スタイルを大きく変えず使いやすさを追求するとともに、最小限のデータ入力で受注作業が完了するようにしました。また、新たに開発したエントリー画面では、受注情報は商品コードのほか、商品名でも指定可能としています。取引先ごとに必要な個別対応については、その内容をエントリー画面の備考欄に記載してデータベース化することで、個々のオペレーターに依存せず迅速かつ質の高いお客様対応ができるように配慮しました」

さらに、入力精度を高めるための工夫も施されています。例えば、取引先から過去に取引実績の無い商品の注文を受けた際には、エントリー画面上に赤字でアラートを自動表示し、ミス注文でないかどうかの注意を促すようにしました。また、受注日を入力するだけで、リードタイム情報から納品日を自動計算する機能などが盛り込まれています。

システム構成イメージ

受注業務の時間短縮と入力精度の向上を実現

ヤヨイ食品は、FAX受注システムの導入によって、FAX受注業務全体を効率化するとともにオペレーターの業務負荷を軽減しました。まず、受信FAXの自動振り分け機能により、約2時間を要していた人手による仕分け業務が不要となりました。

「出社後にすぐ受注エントリー業務に取りかかれるようになりました。また、以前は、何度もFAX機まで往復する必要がありましたが、システム化してからはほとんどの作業が自席で完結するため、余裕をもって業務に取り組むことができます」(笹野氏)

FAX番号に紐付いた取引先は自動入力され、さらにエントリー画面で商品名を確認しながら入力できるようになったことも大きな効果の1つです。

「最近の傾向として、商品の入れ替わりが早くなっています。大規模商品リニューアル時においてもスムーズかつ、高精度でエントリーが行えるようになったことは大きな成果です。また、FAX番号と取引先が紐付けられたことで、新人オペレーターの研修期間も短縮できました」と笹野氏は効果を語ります。

また、検索機能を活用することで、取引先から発注実績の確認を求められた際にも迅速な対応が可能になりました。さらに、システム化によってペーパーレス化が大きく促進されただけでなく、FAX用紙のファイリングも不要となりました。

FAX受注システム導入におけるMDISの対応について、梁瀨氏は次のように評価します。「当社の抽象的な要望に対して、MDISはその意図をしっかり読み取り、的確な提案をいただけました。例えばエントリー画面のデザインでは、当社の業務に最適化した画面設計のアドバイスをいただきました。また、流通に精通したSEによるコンサル対応や、オペレーターへの入念な研修支援などにより、スムーズに新システムに移行することができました」

受注業務のBCP対策とシステムのさらなる活用を推進

ヤヨイ食品は今後、並行して開発した基幹システムとの連携を高めていく計画です。また、顧客ごとの発注実績に基づいて定番の受注商品を表示するパレット状ボタンの効果的な活用によって、さらなる効率化を追求していく予定です。

「今回のFAX受注システムの導入によって当初の目的は達成できました。次のステップではデータ活用の高度化に加え、システム化によって生み出された貴重な時間をより有効に活用する施策を推進していきます」(西本氏)

また、受注業務におけるBCP対策も今後の課題としています。西本氏は「清水受注センターで集約して行っている受注業務を、もしものときに備えて他の拠点でも対応できる仕組みを検討していきます。MDISにはパートナーとしてこうしたBCP対策を含めた提案を期待しています」と語ります。

食の「安全・安心」と「信用・信頼」を第一とするヤヨイ食品は、受注業務の効率化を通して、お客様へのサービス向上とともに、食の夢と感動をお届けします。

記事について

この記事は、情報誌「MELTOPIA」2013年5月号(No.186)に掲載されたものを転載しました。
この記事は、社名変更前の当時のまま記載しています。(現社名:株式会社ヤヨイサンフーズ )
この記事で紹介しているMDISの流通業向けパッケージソリューション事業は、2020年4月1日付けで三菱電機ITソリューションズ株式会社(MDSOL)に移管・統合されました。

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