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SAP S/4HANAマイグレーションで克服するITシステム「2025年の崖」~デジタルトランスフォーメーションの実現~

現行のSAP ERP(ECC6.0)が保守期限を迎える2025年まであと6年。SAP S/4HANAマイグレーション検討が本格化していますが、現行の設計をそのまま移行する「コンバージョン」を選択するか、ゼロベースから作り直す「リビルド」を選択するかで迷っている企業も少なくありません。三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)は、20年以上にわたるERP導入経験と最新のSAP S/4HANA導入実績に基づく「SAP S/4HANA導入支援サービス」でお客様のSAP S/4HANAマイグレーションに関わる問題解決を支援します。

長年使ってきた基幹系システムがデジタル改革の足かせに

経済産業省が2018年9月に発表した「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート」によると、複雑化・老朽化・ブラックボックス化した基幹系システム(いわゆる「レガシーシステム」)がデジタル変革を阻害し、2025年以降、毎年12兆円(現在の約3倍)の経済損失をもたらすと試算しています。このようにレガシーシステムがDX推進の足かせとなって、デジタル競争に敗れることを「2025年の崖」といいます。

さらに2025年には、SAP ERPのサポートが終了するだけでなく、IT人材が約43万人不足すると経済産業省は試算しています。駆け込み需要が増えると、デジタルやSAP ERPのノウハウを持つベンダーや優秀なIT人材の確保が難しくなるとみられています。「2025年の崖」を乗り越えるためにも、既存のSAP ERPをいち早く最新のSAP S/4HANAに移行し、クラウド、モバイル、AI、IoTなどデジタル技術をフルに活用した本格的なDXを実行に移す必要があります。

既存ERPユーザーの多くはDX推進を前提にした「リビルド」を選択

SAP S/4HANAへの移行には、業務プロセスを見直してゼロから作り直す「リビルド」と、現行の設計のまま新環境に変換する「コンバージョン」の2つの方式があります。リビルドは複雑化・肥大化したシステムを標準化することでDX推進の足かせになっている問題を解決することが大きなメリットですが、コンバージョンと比較して工期・コストを要します。コンバージョンは現状設計を継承する前提ですからDXへの拡張性にリスクがあります。それぞれメリットとデメリットはあるものの、現状システムのアセスメントによって「リビルド」か「コンバージョン」か適切な選択をすることが必要です。

実際コンバージョンで解決できることは保守切れを回避することだけなので、多くの既存ERPユーザーはDXの足かせとなる制約問題の解決のためリビルドを選択すると予測されています。産業・サービス事業本部 産業第一事業部 システム第二部 第三課 シニアサーティファイド プロフェッショナルの中塚善之氏は次のように語ります。

「約20年前、多くの企業ではERPの導入自体が目的化し、業務改革よりも現状を再現するために大量のアドオンを生み出していました。それによって柔軟性や拡張性が削がれてしまった反省から、今度こそは業務改革を実現するという思いでリビルドを選択している企業が多いと考えられます。SAP S/4HANAに移行する最大のメリットは、作り直しの機会を得られることにあります。その好機に、ERPコアをシンプルに導入する業務改革を発足させることが重要です」

産業・サービス事業本部
産業第一事業部 副事業部長
兼 営業第二部 部長
武内 国博 氏
産業・サービス事業本部
産業第一事業部
システム第二部 第三課
シニアサーティファイド プロフェッショナル
専任
中塚 善之 氏

SAP S/4HANA 1809に対応したERPテンプレートをクラウドで提供

こうした状況を受け、MDISはSAP S/4HANAのリビルドやコンバージョンを支援するSAP S/4HANA 導入支援サービスを開始しました。最大の特長は、最新リリースの「SAP S/4HANA 1809」に対応したERPテンプレート「MELEBUS(メリーバス)1809」を使って標準機能を活かした導入を提案することにあります。約20年前、三菱電機のSAP ERP導入を支援したMDISは、「小さく作って大きく育てる」をコンセプトに独自のテンプレート「MELEBUS」を開発。以来、MELEBUSを活用した標準的なERP導入方法論を確立し、120社以上のお客様にSAP ERPの導入を支援してきました。

中塚氏は「20年来のテンプレート方法論は、安易にお客様の要求を受け入れたシステムの肥大化・複雑化を避け、標準化を維持することがポイントです。結果として柔軟性や拡張性の高いERPとなり、お客様のERP導入効果獲得に貢献してきました」と語ります。

MELEBUSをクラウド化したことで、SAP S/4HANAが実際に稼働する環境をいち早く提供することが可能になりました。産業・サービス事業本部 産業第一事業部 副事業部長 兼 営業第二部 部長の武内国博氏は次のように話します。

「クラウド化したメリットは圧倒的なスピードにあります。まずは2、3ヵ月の短期間、SAP S/4HANAによる業務の流れを確認してみたい方、FIT&GAPの前にGAPを確認してみたい方、リビルドとコンバージョンの選択に悩んでいる方、さらには他社のERPパッケージからSAPに乗り換えてみたい方にも気軽にご利用いただけます。SAP S/4HANAの最新版に対応しているので、インメモリデータベースなど最新のテクノロジーを活かした新機能も試すことができます」

SAP S/4HANAへの移行に関しては、アセスメントツールを用いて事前に影響度を調査して、お客様のSAP S/4HANA化戦略立案を支援します。システム構築時は、独自製品「MALSY(マルシー)」を活用し、ExcelからSAP S/4HANAにアドオン開発なしでデータの入出力を実現します。

「多くのERP導入実績を基に、お客様とゴールを共有しながら最適なシステムを構築していきます。また、2019年4月から独自の人材育成プログラムを立ち上げ、導入プロジェクトを牽引するプロフェッショナルのさらなる拡充を進めています」(武内氏)

「垂直統合」や「水平統合」によりお客様のビジネスを支援

MDISの最大の強みは、製造業の「垂直統合」による全体最適化が実現できることにあります。 SAP S/4HANA、MES(製造実行システム)、製造現場のシステムの3つを有機的に連携することは典型的なDX事例と考えています。

製造業の現場では、ERPとMESが分断されていることが多く、在庫の削減、生産性の向上、利益率(ROA)の向上などERPの導入効果が実感できないことが往々にして見られます。そこでMDISは、PLC(シーケンサ)、FA機器、ハンディーターミナル、ICタグなどのエッジデバイスのデータを収集し、ゲートウェイを介して上位のMESに集約。設備の稼働状況や停止状況を基に、進捗、実績、品質、生産性などを「見える化」します。生産データをさらに上位のERPと連携することで、稼働率、パフォーマンス、良品率、操業度などから生産性を割り出し、利益の向上に結び付けたり、MRP(資材所要量計画)と連携して在庫の削減やリードタイムの短縮に結び付けたりすることが可能になります。

「ポイントは、ERPをシンプルな構成で導入・維持し、製造管理のシステムやデータは外部に持つことにあります。特に製造IoTでは、エッジレイヤのデータをやみくもに取得するだけではデータ量が増えてしまい、性能劣化などの弊害が発生します。その点、当社は標準化すべきデータの仕分けや、モデル化のノウハウを持っているので、効果が出るシステムを提案できます。その結果、国内や海外への製造拠点への横展開も簡単になり、ビジネスの成長に貢献します」(中塚氏)

MDISの強みは垂直統合だけではありません。製造前の設計情報(CAD、PDM、 PLM)や、製造後の顧客情報、フィールドサービス情報などと連携する「水平統合」も合わせて実現します。

国内の製造業は今後、ますます激化するビジネス環境の変化にさらされることは間違いありません。データ活用を通して、よりスピーディーな意思決定が求められます。

「そのためにもSAP S/4HANAへの移行を、保守切れの観点からでなく、DXに向かうべきかどうかで考えてください。MDISは導入支援サービスを通してお客様のDX推進に貢献していきます」と武内氏は話します。

この記事について:

この記事は、情報誌「MELTOPIA新しいウィンドウが開きます」2019年7月号(No.248)に掲載されたものを転載しました。

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