電話発信認証サービスTELEO 導入事例
株式会社カラーズ様
店内・テイクアウト注文が簡単にできるアプリに
電話発信認証サービスTELEO を導入
利便性向上とセキュリティー強化を両立
大阪市を拠点にプロモーション開発などの事業を展開する株式会社カラーズ。同社は飲食店向け注文・レジ会計システム「Shop」を自社開発し、120 店舗以上の飲食店に提供しています。今回、「Shop」の1サービスとして提供する来店客向けアプリ「Apuri(アプリ)」のリリースに際し、テイクアウト注文における本人認証に三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)が提供する電話発信認証サービスTELEO <テレオ>を採用。TELEOにより、アプリのセキュリティー強化や本人確認の利便性向上、なりすまし注文の防止などを実現しています。

飲食店向け注文・レジ会計システムをサブスクリプション型で提供
1997年にWeb サイトやアプリの受託開発から事業をスタートしたカラーズは、現在インターネット領域を起点に「プロモーション開発」「自社サービス」「クレジット決済仲介」の3事業を展開しています。創業時から自社サービスの開発にも注力し、決済代行サービスなどを提供しています。
代表取締役の中島理博氏は「当社の企業価値向上に向けて、受託開発のビジネスだけでなく、世の中に役立つ自社サービスを積極的に展開しています」と語ります。
同社が、2021年8月より提供している自社サービスが、飲食店向け注文・レジ会計システムの「Shop」です。Shopは、注文から会計処理まで、飲食店における一連の販売をサポートするカンタン操作が特徴です。具体的には、POSレジの「Regi Check(レジチェック)」、店員用注文端末の「Handy(ハンディ)」、注文内容を一括管理する「Kitchen Monitor(キッチンモニター)」、来店客自身によりテーブルからオーダーする「Table Order(テーブルオーダー)」、そして来店客向けアプリ「Apuri」の5つで構成されています。スタートアップ、スタンダード、プレミアムの3タイプがあり、用途に応じて上記のサービスを組み合わせたプランを選ぶことができます。
「Shop は、当社の取引先である株式会社イートアンドホールディングス向けに開発した販売管理システムが原型で、現在は同グループ内の飲食チェーン店約120店舗以上に導入済みです。最大の特長は、POSレジだけにとどまらず、ハンディやキッチンモニター、お客様自身で注文できるテーブルオーダーやアプリと、飲食店に必要な機能をすべて網羅していることにあります。ビジネスモデルとしては、1店舗単位で月額料金をいただくサブスクリプション型で提供しています」(中島氏)

中島 理博 氏

古賀 守 氏

白倉 聡明 氏
SMS認証に代わる本人確認手段として電話発信認証サービスTELEOを採用
Shopの1サービスとして提供している来店客向けアプリ「Apuri」の本格的な開発は2022年5月から始まり、2023年5月にリリースしました。iOSとAndroidに対応し、各アプリストアからダウンロードが可能です。対応店舗の検索の他、店舗に設置したQRコードからのセルフ注文、受け取り時間を指定したテイクアウト注文、ネット通販、ポイントサービスが利用できます。
開発で課題となっていたのが本人認証です。カラーズが飲食店からの委託を受けて開発・運用しているアプリでは、ショートメッセージサービス(SMS)より確実な認証手段を模索していました。
「携帯電話の契約状況やお客様の設定によってはSMS 認証が使えないことがあり、認証に関する問い合わせが月に50件程度ありました。そこでSMS 認証より安全・確実な認証手段を検討する中で、電話の発信による本人認証サービスに着目しました」(中島氏)
中島氏は、複数の電話発信認証サービスを調査しました。
「Web検索でみつけたMDISに最初に連絡しました。話を聞いてみると、導入や利用にあたりコストメリットがあることや、ユーザーに通話料が発生しない仕組みが気に入りました。また、企業グループの知名度が高いこと、様々な製品とサービスで実績があり、安心感と信頼感があるMDISのTELEOに決めました」(中島氏)
TELEOの実装は、まず2023年1月に試使用環境でTELEOのテストを実施した後、同年3月15日に正式な契約を締結。3月31日に本番環境に移行してテストを実施し、2023年5月末にApuriを正式リリースしました。

開発負担が軽いTELEOにより短期導入を実現
バックエンドの開発を担当した技術取締役の古賀守氏は次のように語ります。
「TELEOの導入自体はほとんど負担がかからず、驚くほどシンプルでした。電話発信認証のリクエストをバックエンドのAPIで受け取り、それをTELEO のサーバーに転送して、返ってきたレスポンスをアプリ側に返すだけであり、極めてシンプルな構成で開発ができました。SMS認証の実装と比べると、バックエンドに関しては5分の1程度の負担で済みました」
また、フロントエンドの開発を担当したエンジニアの白倉聡明氏も次のように語ります。
「アプリ側の開発もMDIS から提供されたTELEOのAPIを、認証フローにあわせて順番につないでいくだけでしたので、半日もかからないうちに終わりました。SMS認証のように認証コードの入力画面を実装する必要もなく、開発の負担は軽減されました」
セキュリティー強化と登録店の業務効率化、利用者の利便性向上に貢献
TELEOを搭載したApuriは現在、株式会社イートアンドホールディングスグループのラーメンチェーン店が登録されており、テイクアウト注文時の本人認証に活用しています。TELEOは、サービスを運用するカラーズ、登録する飲食店、利用するユーザーのそれぞれにメリットをもたらしています。
「Apuriを運用する私たちは、アプリのセキュリティーを強化できたと同時に、SMS認証でなくなったことで、ユーザーからの“認証ができない”といった問い合わせがなくなり、運用の負荷が軽減されました。Apuriに登録する飲食店は、テイクアウト時のなりすまし注文やいたずら注文を抑止することができ、業務の効率化につながっています。Apuriのユーザーにとっても、指定された電話番号に電話をかけるだけで認証ができるので、SMS認証のように認証コードを受け取って入力する手間を省くことができます。SMSにメッセージが届かない等のトラブルもなくなり利便性が向上します。会員登録も自分の電話番号を登録するだけと、簡素化されています」(中島氏)
利用店舗の拡大と並行して別システムやアプリ等への展開へ
カラーズではApuri への登録店拡充に向けて、Shopを導入している店舗を中心にアプローチしていくだけでなく、積極的に多様な店舗へShopとApuriの展開を推進する考えです。TELEOについては、同社が開発・運用するシステムやアプリ等へ横展開していく構想も描いています。
また、将来的にはユーザーがより気軽にアプリを利用できるように、様々な認証方法を調査・検討しながら、パスワードレス認証の実現を目指していく方針です。
「パスワードレスの実現に向けて、顔認証やAI 認証、生体認証などにも興味があります。MDISには引き続き認証に関する様々な情報提供を期待しています」(中島氏)
「ヒトに愛されるモノやコトを生み出すことで、まだ見ぬ、新しい常識の創造をリードする企業を目指す」を理念とするカラーズは、今後も新たなビジネスアイデアとライフスタイルを提案していきます。
※電話発信認証サービスTELEOのサービス基盤としてアマゾン ウェブ サービス(AWS)を利用しています。
株式会社カラーズ:
https://www.colors.jp/
この記事について:
この記事は、情報誌「MELTOPIA」(2023年9月号)に掲載した内容を転載したものです。