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SAP ERP グローバル統合 導入事例菱洋エレクトロ株式会社様

国内・海外の別インスタンスで稼動していたSAP ERPを「グローバルワンインスタンス」に統合し全社業務プロセスの標準化を実現

海外に拠点を持つ企業にとって、課題となるのが基幹システムのグローバル統合です。国ごとにシステムが異なると販売実績や在庫状況の把握に時間を要し、迅速な意思決定ができません。菱洋エレクトロ株式会社は三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)の支援を受けて、これまで各国で個別運用・サポートが続いていたSAP ERPを1つのIT基盤上で運用する「グローバルワンインスタンス化」を実施。グローバルでの業務標準化、情報管理レベルの統一を図るとともに、IT統制の強化を実現しました。

グローバルビジネスの強化に向けてIT基盤の統合を決断

エレクトロ二クス総合商社として、半導体・デバイスとICT・ソリューションをコア事業に展開する菱洋エレクトロ。2018年度を最終年度とする中期経営計画に基づき、「IoTアプローチによる事業の拡大」「成長分野への戦略的投資」「グローバル戦略の加速」「持続的成長に向けた事業基盤の強化」に取り組んでいます。IoTについては、新たなビジネスモデルの全社展開を支援する専門組織「IoT推進プロジェクト」を2015年に立ち上げ、着実に成果を挙げつつあります。

業務の中核となる基幹システムは、1999年にSAP ERPの販売、購買、会計のモジュールを国内に導入し、その後もシンガポール、香港、中国、タイの販売拠点に展開を進めてきました。また、2006年と2012年に2度のアップグレードを行い、国内のSAP ERPを最新版にして、管理レベルの強化を図ってきました。

一方、海外拠点に導入したSAP ERPは海外専用のシステムとして個々に構築・運用されており、業務プロセスやマスターデータの持ち方などは、国ごとに異なっていました。そこで、「グローバルに標準化された業務プロセスと情報サービス基盤の提供」と「事業戦略に迅速・柔軟に対応できる情報サービスの提供」を目的に、国内と同一のIT基盤上にSAP ERPを統合するグローバルワンインスタンス化を決断しました。経営戦略室 情報システム部 部長の佐藤博徳氏は次のように語ります。

「国内外の業務プロセス、マスターデータ、データ分析基盤(DWH)を統合することによって、どの国からもグループ全体の実績や在庫状況が把握できるようになります。その結果、より迅速な意思決定が可能になります」


経営戦略室
情報システム部 部長
(現 管理本部 業務部 部長)
佐藤 博徳 氏


経営戦略室
情報システム部 次長
合田 毅 氏

業務やシステムへの深い理解とアップグレードの実績を評価

国内外のSAP ERPの「グローバルワンインスタンス化」に着手した菱洋エレクトロは、2013年7月からパートナーの選定を開始。様々な検討を重ねた結果、MDISをパートナーに選定しました。

「オフコン時代から当社のシステム基盤を整備し、1999年のSAP ERPの初期導入、さらに2度のアップグレードに至るまでシステムの導入・保守を支援いただいてきたMDISは当社の業務やシステムを熟知しています。新規のベンダーに依頼する場合、私どもがゼロから現状のシステム環境を説明したり、事細かにドキュメントを作成する必要があります。そのため業務部門やシステム担当者への負担が増大し、結果として工期の延長や追加費用が発生する懸念があることから、MDISに再度お願いすることにしました。MDISは半導体ビジネス特有の機能の実装経験も豊富でしたので、統合に必要な要件の洗い出しまでカバーすることができました」(佐藤氏)

2014年4月から開始したプロジェクトは、2015年7月に本稼動を迎えました。これまで国内で1つ、シンガポールと中国(上海・大連)で1つ、香港とタイで1つと、合計3つのIT基盤上でSAP ERPの販売、購買、会計モジュールを運用していましたが、これを集約することができました。

統合にあたってポイントになったのが、販売、購買、会計の業務プロセスの標準化です。業務プロセスは日本を基準にして海外の業務を合わせる方針とし、トップダウンで作業を進めました。経営戦略室 情報システム部 次長の合田毅氏はプロジェクトを振り返り「言語の英語化対応や通貨の対応など、システムは設定の変更が必要でしたが、業務プロセスの統合はスムーズに進みました」と語ります。

その一方で工夫を要したのが、商品マスターの統合です。商品マスターの統合は、項目を日本で使っている商品名とコードに合わせる方針で進めたものの、そのままでは取引先で一部の製品の受け入れができなくなってしまう可能性がありました。「そこで、商品マスターを日本の項目で統合したうえで、インボイスは従来と同様の形式で出力できるようにシステム上の工夫を加えました」と合田氏は語ります。

分析基盤のDWHについては、「旧DWHは各種制約から限られた部門でしかデータの抽出ができませんでした。各地の製品別の販売実績や売上情報が見たいという営業マネージャーなどの要望に応えるために、業務担当者自身が簡単にデータを抽出でき、使い慣れたExcel形式で会計・販売レポートなどに加工できるツールを、MDISの提案で導入しました」と佐藤氏は語ります。

その結果、営業マネージャーは自分が見たいタイミングで各国の実績を確認して、すぐに次の一手を打つことができるようになりました。業務担当者もデータ抽出と加工の手間から解放され、主要業務に注力できるようになりました。


システム構成イメージ
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グローバルでの業務標準化と情報管理レベルの統一化を実現

SAP ERPのグローバル統合により、菱洋エレクトロは当初の目的としていたグローバルでの業務標準化と情報管理レベルの統一化を実現しました。その結果、国内外の拠点からあらゆる拠点の発注状況や発注残、在庫状況などが確認できるようになり、取引先への納期回答は迅速化されました。

また、システムがグローバルで標準化されたことで、情報システム部のITサポート担当者の負担が軽減されています。

「以前は国内と海外のシステムが異なっていたので、それぞれでサポート担当者を置き、個々に対応していました。すると、担当者は国内、海外いずれかのITサポートしかできず、不在の場合は対応ができません。今では国内・海外問わずどちらのサポートも可能で、迅速な対応ができるようになりました」(合田氏)

経営面では、同一のIT基盤による運用としたことで、IT統制が強化されました。これまで拠点ごとに行っていたマスターの登録・変更は、IT基盤統合後は本社のみで実施するようになりました。また、標準化の実現により、例えば日本のスタッフが上海の業務をサポートするなど、業務のグローバルな補完が可能になりました。

2つのコア事業を融合したソリューションビジネスの展開へ

グローバルワンインスタンス化を終えた菱洋エレクトロでは、中期経営計画に従って、2つのコアビジネスを融合したソリューションビジネスや、IoTビジネスを進めていく計画です。現在は自社で行っているSAP ERPのアプリケーション保守、インフラ保守については、一部をアウトソーシングし、中長期戦略実現に向けたシステム化に注力していくことも検討しています。

「情報システム部の役割は、基幹システムの運用・保守をするだけではありません。システム化の推進とアウトソーシングを通じて、当社が進めるIoTビジネスやビッグデータビジネスに貢献できるように、MDISを含めたパートナーベンダーとともにIT環境を整備していきます」(佐藤氏)

菱洋エレクトロは、「“全てがつながるスマート社会”に感動を与えるソリューションパートナーになる」という中期ビジョン実現に向けて、IT環境の整備と高度化を図りながらビジネスを推進していきます。

お問い合わせ

菱洋エレクトロ株式会社:
http://www.ryoyo.co.jp/

この記事について:
この記事は、情報誌「MELTOPIA」2016年8・9月号(No.219)に掲載されたものを転載しました。

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